近年、SaaS,PaaS,IaaSなど、様々なサービスがデジタル化するだけでなく、従来の買い切り型のビジネスから継続課金型のビジネスモデルへとシフトしている傾向が見られます。
21世紀の現代において、”必要な機能を必要な時だけ”というユーザーのニーズが高まる中、継続的に利用してくれるロイヤリティの高いユーザーを囲う施作として、UI・UXの改善は更に重要となってくるでしょう。
多くのIT企業経営者にとって、悲願でもある事業成長を指数関数的に達成して行くためには、自社プロダクトにおけるUI・UXを緻密に設計し、顧客満足度を最大限高め、継続的に利用してくれるユーザーを獲得することが不可欠です。
UI・UXの改善には、アクセス解析などの定量評価・ユーザー満足度などの心理描写によって得られる定性評価、これら二つの軸で構成されるエンゲージメントデータを適切に扱い、戦略的ににPDCAを回して行く仕組みを構築することが重要です。
本記事では、UI・UXの改善に必要なユーザーテストを効率的に履行し、エンゲージメントデータを可視化する、人気のユーザーテストツールを3つ徹底解説します。
そもそもUIって何?
UI(ユーザーインターフェース)とは、デバイスそのものの外観から、デジタルコンテンツの配置やフォントなどの内実まで、ユーザーが製品を利用する際に視覚に触れるもの全てを指します。
優れたUIを作成するためには、ユーザーの目的達成に寄与しない無駄な要素は排除して、インターフェース全体をシンプルかつ統一感を持って仕上げることが重要です。
そもそもUXって何?
UX(ユーザーエクスペリエンス)とは、一つの製品やサービスを通じて得られる体験を指します。
ユーザーエクスペリエンスという用語の発明者でもあり、現USDCデザインラボ責任者ドンノーマンは、”優れたユーザーエクスペリエンスとは、一つの定義で表されるものではなく、製品を使用する特定のコンテキストで特定のユーザーのニーズを満たすもの”だと言及しています。
つまり、顧客の満足度を最大限高める体験を生み出すには、全員が認める型のあるデザインを探すよりも、各ペルソナにとっての成功を定義し、それらに紐づいたストーリーを汲み取って設計しなければならないのです。
UI・UXに関して多くのWebマーケターの抱える問題
しかし多くのWebマーケターにとって、エンゲージメントデータの分散、ユーザーテストの失敗、業務コストの増大はUI・UXの改善業務を行う上で大きな問題となっています。
高精度なユーザーエンゲージメントデータの収集・加工・管理が適切に実行できていないことで、仮説検証において自分たちにとって最高の成果物ができても、顧客にとってはインターフェース上で目的を達成する上でのただの障害になってしまうことも少なくありません。
“ユーザーファースト”を大々的に謳っているにも関わらず、UI・UXデザイナーのセンスという属人化された個々の能力に頼りっぱなしで、データを可視化する仕組みが無いことで、仮説”検証”とは程遠いお座なりな改善施作を打ち出す結果となってしまうのです。
UI・UXデザインの成果を最大化するユーザーテストツール5選
1.Userlytics
価格 : 49$〜 形態 : 月額課金
Userlyticsの強みは、Webサイト・モバイルアプリ・プロトタイプのテストが様々な機種に対応して行えることです。
自社のターゲットとなるペルソナを人口統計データを元に定義し、ユーザーのタスク、失敗/成功、質問内容など細部まで定義し、エンゲージメントデータを定量・定性的に取得することができます。
Userlyticsの機能
1.参加者モニタリング機能
テストユーザーの顔の表情や周囲の状況など、キャプチャー画面でモニタリングできる機能です。
ユーザーの反応について記載した情報をチームで共有可能にし、映像データをその都度巻き取り、ハイライトとして保存できます。
2.エンゲージメントデータ分析機能
ユーザーのタスク時間や成功/失敗、SUS、NPS、SEQ、質問、調査データなどのエンゲージメントにおいて重要な定量的指標を分析できます。
3.分析ロジック機能
ユーザーテストにおける質問スクリプトを設定できます。
特定の回答者のアクションと応答に基づいて、一連の指示と質問が表示される機能です。
4.個人情報保護機能
各テストジャーニーの重要な瞬間に画面記録をブロックする機能で、ユーザーの個人情報を保護します。
5.自動文字起こし機能
各ビデオの録画セッションで重要な瞬間を補足できる機能です。
自動でのテキスト文字起こしを参照するか、重要な用語を検索してから、関心のある領域をクリックして、タイムラインベースで特定の瞬間を視聴することができます。
2.Lookback
価格 : 49$〜 形態 : 月額課金
- 概要
Lookbackでは、ユーザーをリモートでモニタリングしながら、製品の使用感や問題点など必要な情報についてコミュニケーションを行い、それらのデータをダッシュボードで一元管理することができます。
Lookbackの機能
1.モニタリング機能
チームメンバーを招待して、ユーザーと対面でリアルタイムでインタビューを行える機能です。
結果を記録する際にチームで共有可能なメモを保存することができます。
2.ダッシュボード機能
ライブセッションをダッシュボードに保存・管理することができる機能です。
保存された記録を参照し、重要な瞬間をハイライトとして記録し、再視聴することができます。
3.セルフテスト機能
ユーザー自身にテストを行ってもらう機能です。
参加者にセットアップの方法について記載されたリンクを送信し、普段の習慣に即して、好きなタイミングで製品をテストすることができます。
3.Hotjar
価格 : 89$〜 形態 : 月額課金
画面上でのユーザーの行動をヒートマップ形式で可視化することができます。
録音、コンバージョン分析、フォーム分析、サーベイ作成機能など幅広い機能がついており、価格は他のUI・UX改善ツールに比べて少々高めの設定となっています。
Hotjarの機能
1.ヒートマップ機能
ユーザーのインターフェース上の行動を視覚化する機能です。
クリック、タップ、スクロール等の細かい行動まで視覚的に表現することで、ユーザーが何を望み、気にし、何をしているのかを理解します。
ヒートマップはデバイスごとに最適な規格に別れており、データ取得後はダウンロードすることが可能です。
2.訪問ユーザーの録音機能
サイト上で訪問者の行動を記録する機能です。
訪問者のクリック、タップ、マウスの動きを確認することで、その場でユーザビリティの問題を特定できます。
記録情報をフィルタリングして必要な部分を抽出できるだけでなく、ユーザーのアクションに関してメモを残し、チームと情報を共有することができます。
3.コンバージョンファネル機能
ユーザーの離脱ページやコンバージョンに至るまでのステップを特定することで、改善ポイントを洗い出す機能です。
4.フォーム分析機能
入力に時間がかかりすぎるフィールド、空白のままになっているフィールド、およびユーザーがフォームページを放棄した理由を発見することにより、オンラインフォームの完成率を改善する機能です。
5.サーベイ機能
簡単なエディターを使用して、レスポンシブな独自のアンケートを作成できる機能です。
任意のデバイスからリアルタイムで応答を収集します。
Webリンク、電子メールを使用してアンケートを配布するか、訪問者がサイトを放棄する直前に訪問者を招待して、反対意見や懸念を明らかにします。
まとめ
日本では意外と知られていないUI・UX改善のためのユーザーテストツールUserlyrics,Lookback,Hotjarの3つを紹介しました。
これらを活用し、自社プロダクト・サービスのUI・UXの改善に寄与する本質的なテストを実行し、精度の高いエンゲージメントデータを収集し、上質な顧客体験導出に一歩近くことができるでしょう。
様々な同業・新興サービスが乱立し、継続ユーザーをいかに確保するかが急務な今日の市場では、UI・UX改善のための適切な施作をデータに基づいて継続的に行うことが重要だと言えるでしょう。
UI・UXの改善には適切なツールを使いこなすことが重要です。
しかしUI・UXの素地はどうやって生み出すのでしょう?
弊社は専任のデザイナー監修の元、極上の顧客体験を追求すべくユーザーの”使いやすさ”を最大限顧慮したサイトを制作することができます。
無料でのご相談もお受けしているので、Webサイトの制作・リニューアルを考えられている企業様、ご連絡お待ちしております。